税制全般

e-Tax準確定の基礎控除入力は?2025年対応ガイド

令和7年12月1日以後にe-Taxで準確定申告を提出する場合、基礎控除欄が48万円で固定表示されるときの正しい入力方法(雑損控除欄への入力と特記事項の記載)を実務手順で解説します。

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e-Tax準確定の基礎控除入力は?2025年対応ガイド

このような質問をよく見かけます。「12月に準確定申告をe-Taxで送信しようとしたら、基礎控除欄が48万円のままで新制度の金額が入らない…どうすればいい?」「入力するとエラーにはならないけれど、このやり方で正しいの?」年の途中でのご不幸やご出国に伴う準確定申告は、ただでさえ手続きが煩雑です。そこへ制度改正が重なると、どの画面に何を入れるのか、迷ってしまうのも当然です。

2025年12月1日(令和7年12月1日)から施行される基礎控除の見直しにより、令和7年分の準確定申告でも改正後の基礎控除額の適用が可能になります。一方で、令和7年中は様式・システムの経過措置のため、e-Taxソフト上の「基礎控除」欄は従来の表示のまま(48万円)となる場合があります。これは「間違い」ではなく、国税庁Q&A「7-2」が示す正しい入力手順により、改正後の基礎控除額を反映させることができます。

この記事では、なぜ「基礎控除」欄に直接入れないのかという背景から、e-Tax上での具体的な入力手順、チェックリスト、ケース別の対応、よくあるミスと回避策まで、実務ですぐに使える形で丁寧に解説します。

1. 結論:基礎控除欄は空欄のまま、雑損控除欄に入力

入力ステップ(e-Taxソフト)

  • 申告書第一表の「基礎控除」欄には金額を入力せず、初期表示の「0,000」のままにする
  • 「雑損控除」欄に、改正後の基礎控除額を入力する
  • 雑損控除もある場合は、雑損控除額と改正後の基礎控除額の合計額を入力する
  • 申告書等送信票(兼送付書)の「特記事項」欄に、次のいずれかを記載する
    • 「基礎控除額●●●円」
    • 雑損控除もある場合:「雑損控除額●●●円、基礎控除額●●●円」

上記の方法で、経過様式でも改正後の基礎控除額を正しく反映できます。

なぜこの方法なのか(背景理解)

  • 令和7年中は、準確定申告で使用する様式が令和6年分様式のまま運用されます。
  • e-Taxソフトの「基礎控除」欄は旧仕様に基づく表示・入力制御が残るため、改正後の金額を直接入力できません。
  • 経過措置として「雑損控除」欄を代用し、送信票の特記事項で内訳を明記する運用が公式に示されています(Q&A 7-2)。

2. 適用の前提とタイミング

  • 令和7年12月1日以後に提出する令和7年分の準確定申告が対象
  • 12月1日以後の提出であれば、申告時点で改正後の基礎控除の見直しを適用
  • 11月30日以前に提出した場合は、いったん改正前で提出し、後日「更正の請求」で改正適用(詳細は「7-1」参照)

基礎控除の適用額(要点の再確認)

  • 令和7・8年分は合計所得金額に応じて段階適用(最大95万円)
  • 令和9年分以後は安定運用(原則58万円)
  • 合計所得金額655万円超2,350万円以下は58万円、2,350万円超は非適用(従来どおり)

3. よくあるミスと対処

  • 基礎控除欄に48万円を入力してしまう
    • 入力しない。0のままにし、雑損控除欄に改正後の基礎控除額を入れる
  • 雑損控除と合算し忘れる
    • 雑損控除がある場合は合算額を入力し、特記事項で内訳も明記
  • 特記事項の記載漏れ
    • 金額の特定ができるよう、必ず文言と金額を記載

追加の落とし穴

  • 入力後の自動計算チェックを省略する
    • 合計欄・差引所得金額に改正後の基礎控除額が反映されているか、プレビューや計算表で必ず確認
  • 明細書・根拠資料の保存不足
    • メモで「雑損控除欄=基礎控除代替入力(Q&A 7-2対応)」と明記し、問い合わせに即応できる状態に

4. 実務ヒント

  • 申告書計算書・明細の保管と、雑損控除との合算根拠を残す
  • 添付・提出時のチェックリストに「特記事項の記載」を明記
  • 7-1の対応(更正の請求)と混同しないよう、提出日基準でフローを分岐

5. 画面遷移を想定した操作ガイド(チェックリスト形式)

  1. e-Taxソフトにログインし、対象年分「令和7年分 準確定申告」を選択
  2. 申告書第一表の入力画面へ移動
  3. 「基礎控除」欄は初期表示のまま(0,000)で通過
  4. 「雑損控除」欄を開き、改正後の基礎控除額(所得段階に応じた金額)を入力
  5. 雑損控除もある場合:両者の合算額を入力
  6. 「申告書等送信票(兼送付書)」の「特記事項」欄に、内訳を明記
  7. 計算結果プレビューで、差引所得金額や税額に反映されているか検算
  8. 添付書類の有無を確認し、送信

6. ケーススタディ

ケースA:雑損控除なし、合計所得金額132万円以下

入力:
・基礎控除欄 … 0,000(空欄同義)
・雑損控除欄 … 950,000円(基礎控除額)
・特記事項 … 基礎控除額950,000円
期待結果:
・差引所得金額に950,000円が控除として反映

ケースB:雑損控除あり、合計所得金額190万円(基礎控除750,000円)

入力:
・基礎控除欄 … 0,000
・雑損控除欄 … 1,150,000円(雑損控除400,000円+基礎控除750,000円)
・特記事項 … 雑損控除額400,000円、基礎控除額750,000円
期待結果:
・差引所得金額に合算額が控除として反映。内訳は特記事項で明確化

ケースC:11/30以前に提出済み→12/1以後に更正の請求

手順:
・11/30以前は改正前の様式で提出(基礎控除は従来運用)
・12/1〜令和12/12/2の間に「更正の請求」を提出
・更正の請求書に、改正後基礎控除の適用と額を明記

7. FAQ(よくある質問)

Q1. e-Taxの計算結果で「基礎控除」の表示が0のままだが大丈夫?

A1. 問題ありません。経過措置で「雑損控除」欄へ入力し、送信票の特記事項で内訳を示すのが正解です(Q&A 7-2)。

Q2. 雑損控除が本当にある場合はどう区別する?

A2. 雑損控除がある場合は、合算額を雑損控除欄に入力し、特記事項に内訳(雑損控除額・基礎控除額)を明記してください。計算根拠のメモを残すと安心です。

Q3. 入力ミスに気づいたのが送信後だった。修正は可能?

A3. 可能です。法定申告期限内なら訂正申告、期限後は更正の請求で修正できます(7-1参照)。

まとめ

  • 12月1日以後提出の準確定申告は、改正後の基礎控除を申告時に適用
  • e-Taxでは基礎控除欄は0のまま、雑損控除欄に改正後の基礎控除額を入力
  • 雑損控除と併用時は合算入力+特記事項で内訳明記

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(出典)国税庁「令和7年度税制改正(基礎控除の見直し等関係)Q&A」7-2、特設サイト「令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等について」

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